photo by フランケル(CC)
複雑な事情を抱えたC.ルメールの有力お手馬のローテーション予想
アーモンドアイ(牝4、美浦・国枝栄厩舎)はコースや距離、斤量への適性面から凱旋門賞を回避することが決定。古馬になって筋肉量が増し、中距離馬として完成してしまったということなのだろうか。
今のアーモンドアイにとって、次走の候補としてあがっている天皇賞(秋)の東京2000mはおそらくベストに近い条件。馬場不問であることから、香港Cの沙田2000mへの適性も高いはず。
ジャパンC連覇にも意欲を見せるが、今春までの様子からは、天皇賞(秋)からの中3週だと疲労が抜けきらない恐れがある。ジャパンC連覇が秋の最大目標ということであれば、毎日王冠を叩いてからの参戦という可能性が高い。
また、もし年内いっぱいでの引退ということになれば、ジェンティルドンナのように不向きと見られていても、有馬記念への参戦が予想される。一競馬ファンとしては当然、引退レースは国内で見たいところ。
そのアーモンドアイの様子を伺いながらのレース選択になりそうなのが、5歳世代の筆頭格であるレイデオロ(牡5、美浦・藤沢和雄厩舎)。今年はどうも走りに力みが目立ち、ドバイシーマC、宝塚記念と2戦続けて惨敗。
そうなると、今のレイデオロにとっても2000mくらいがベストな距離になりそうだが、種牡馬入り後のことを考えると、天皇賞(秋)でアーモンドアイにぶっちぎられるわけにもいかない。
もしアーモンドアイが毎日王冠→ジャパンCということになれば、去年と同じ天皇賞(秋)からの有馬記念というローテーションが有力になってくる。その場合、今年は宝塚記念を走っている分、前哨戦を使えない可能性が高い。
その辺の事情は、今年の3歳世代の中で絶対的な存在とされていたサートゥルナーリア(牡3、栗東・角居勝彦厩舎)も抱えており、神戸新聞杯の次が菊花賞なのか天皇賞(秋)なのかジャパンCなのかは、アーモンドアイの動向次第ということになるのだろうか。
もちろん、サートゥルナーリアの場合はいまだ未知数な部分が多いので、神戸新聞杯の結果次第でどう転ぶかはわからない。ルメールがレイデオロとどちらを選択するかも、神戸新聞杯の走りを見てからということになるはず。
そして、アーモンドアイに代わって凱旋門賞への挑戦を表明したフィエールマン(牡4、美浦・手塚貴久)は、その体質の弱さから凱旋門賞出走後は来春まで休養に入ることになると予想する。当然のことながら、体質が改善されていれば有馬記念出走も。
いずれにせよ、3頭ともアーモンドアイと初対戦の機会があるとすれば、たとえ負けてもそれほど差を広げられることがなさそうな中山2500mの有馬記念ではないか。その時の手綱はもちろん、ルメール以外の手に託されることになるだろうが……。
C.ルメールの有力お手馬6頭
レイデオロ(牡5) – GⅡ京都大賞典 → GⅠジャパンC → GⅠ有馬記念
フィエールマン(牡4) – GⅡ札幌記念 → GⅠ凱旋門賞 → 休養
アーモンドアイ(牝4) – GⅠ天皇賞(秋) → GⅠ香港C or GⅠ有馬記念
ノームコア(牝4) – 休養(骨折) → GⅠエリザベス女王杯
サートゥルナーリア(牡3) – GⅡ神戸新聞杯 → GⅠジャパンC → 休養
グランアレグリア(牝3) – GⅠ秋華賞 → GⅠマイルCS
その他の有力馬のローテーション予想
川田将雅の有力お手馬4頭
キセキ(牡5) – GⅡフォア賞 → GⅠ凱旋門賞 → GⅠジャパンC
ダノンプレミアム(牡4) – GⅡ毎日王冠 → GⅠ天皇賞(秋) → GⅠマイルCS
ヴェロックス(牡3) – GⅡ神戸新聞杯 → GⅠ菊花賞 → GⅠ有馬記念
ダノンファンタジー(牝3) – GⅡローズS → GⅠ秋華賞 → GⅠエリザベス女王杯
M.デムーロの有力お手馬4頭
スワーヴリチャード(牡5) – GⅠ天皇賞(秋) → GⅠジャパンC → GⅠ有馬記念
ペルシアンナイト(牡5) – GⅢ富士S → GⅠマイルCS → GⅠ香港マイル
アドマイヤマーズ(牡3) – GⅡ毎日王冠 → GⅠマイルCS → GⅠ香港C
ラヴズオンリーユー(牝3) – GⅡローズS → GⅠ秋華賞 → GⅠエリザベス女王杯
戸崎圭太の有力お手馬2頭
エポカドーロ(牡4) – GⅡオールカマー → GⅠ天皇賞(秋) → GⅠ有馬記念
ダノンキングリー(牡3) – GⅡセントライト記念 → GⅠ菊花賞 → GⅠジャパンC
福永祐一の有力お手馬2頭
インディチャンプ(牡4) – GⅡ毎日王冠 → GⅠマイルCS → GⅠ香港マイル
ワグネリアン(牡4) – GⅡ札幌記念 → GⅠ天皇賞(秋) → 休養
横山典弘の有力お手馬2頭
アエロリット(牝5) – GⅡ毎日王冠 → GⅠ天皇賞(秋) → 休養
エタリオウ(牡4) – GⅡ京都大賞典 → GⅠジャパンC → GⅠ有馬記念
その他の芝路線の有力馬10頭
シュヴァルグラン(牡7) – GⅠKGⅥ&QES → GⅠインターナショナルS
アルアイン(牡5) – GⅡオールカマー → GⅠ天皇賞(秋) → GⅠマイルCS
ウインブライト(牡5) – GⅡオールカマー → GⅠ天皇賞(秋) → GⅠ香港C
ディアドラ(牝5) – GⅠナッソーS → GⅠチャンピオンS → GⅠ香港C
リスグラシュー(牝5) – GⅠBCターフ or GⅠコックスプレート → GⅠ有馬記念
グローリーヴェイズ(牡4) – GⅡ京都大賞典 → GⅠジャパンC → GⅠ有馬記念
ステルヴィオ(牡4) – GⅡ毎日王冠 → GⅠ天皇賞(秋) → GⅠマイルCS
ブラストワンピース(牡4) – GⅡ札幌記念 → GⅠ凱旋門賞 → GⅠ有馬記念
ラッキーライラック(牝4) – GⅡ札幌記念 → GⅡ府中牝馬S → GⅠエリザベス女王杯
ロジャーバローズ(牡3) – GⅡニエル賞 → GⅠ凱旋門賞 → 休養
ダート路線の有力馬4頭
ゴールドドリーム(牡6) – GⅠ南部杯 → GⅠチャンピオンズC → GⅠ東京大賞典
インティ(牡5) – GⅠ南部杯 → GⅠチャンピオンズC
オメガパフューム(牡4) – GⅠJBCクラシック → GⅠチャンピオンズC → GⅠ東京大賞典
ルヴァンスレーヴ(牡4) – 休養 → GⅠチャンピオンズC